Hawaii ボーンフィッシュ 究極のフライフィッシングがここにある、その①

おそらく僕は日本人でもっとも多くのボーンフィッシュをキャッチしていると思う。

ハワイ(オアフ島)に住んでた頃、追い求め、その習性などを研究していた魚だ。しかし、いまだに謎が多すぎる。

「ハワイでフライって何釣るんですか」と訊かれることがよくあるので、さわりだけちょっと紹介しようと思う。口頭での説明が難しいので「ブログみてね」言えるしね。

シルバーメタリックな体に見とれます。かわいい顔して、猛ダッシュとファイトは世界一。

これが、ボーンフィッシュだ。

ゴーストフィッシュなんて呼ぶ方もいます。それは、銀色の魚体で背中が少しグリーンっぽい配色でこれがうまい具合にフラットの砂と藻の色に溶け込む。これが至近距離にいてもまったくわからない。あとは、生態が今もって解明されず、神出鬼没なのでそう言われるのかもしれない。

ホームグランドのハワイのフラット。絶対に歩き回ってはいけない。向こうからやってくるのをひたすら待つ。

フライフィッシングの最高峰に君臨する究極のターゲット、フライフィッシャーなら誰もが一度は挑戦したい、憧れのターゲット、それが「ボーンフィッシュ」なのです。

紫外線で発光するフィン先のちょっとした色にハッとさせられる。

ボーンフィッシュは赤道直下などの太陽の光が強烈に降り注ぐ海域にいる。有名どころでは、コスタリカ、バハマ、クリスマス島、タヒチなどなど。日本ではソトイワシとか呼ばれるらしいけど、過去に沖縄や石垣島近辺のフラットでは一度も出会ったことがない。夜明けの満潮に合わせて、浅いフラットで餌を探し、夜はリーフ近くの深みへと帰る(実際はもっと複雑だけどね)。ちなみに、ローカルのあいだでは、「満月の朝は釣れない」と言われている。それは、月明かりで餌をたらふく食べるから、昼間に食い気が下がるためだという説がある。僕も何度も経験しているので、恐らく本当だろうね。

フライ未経験の方にはここで、なんで憧れの魚なのか、挑戦したくなるのか?という疑問がわくと思う。それは・・・

1)魚を見つける難易度が高すぎて気が狂いそうになる:釣り方の基本はまず魚を見つけてから、その鼻先にフライをソーっとキャストする。「ふ~ん、それだけかあ」と思うでしょ?ところが、先ほどもいったように、魚がボトムと同化して、まったく見えないのだ。キャッチするにはまずこの「眼力」を鍛えないと土俵にも立てない。ハワイのフラットは風で常に海面が波立っているので、ほんとうにわからない。初体験の人はみんなここで挫折する。

僕は見つけるのに、毎日ビーチに通って数年かかったです。

2)異常な警戒心:運よくボーンを見つけたとする、しかし、キャストするロッドの動き、歩く波動、水面を叩くラインの波紋がちょっとでもあると、ギャア~!っとロケットのごとく逃げていく。

3)強風の中の正確なキャスティング:ハワイは常にトレードウィンド(北東の冷たい風)が強く吹いており、昼過ぎからさらに強力になります。強いと背中からどーん!と押されるくらい。そのなかで、見つけたらすぐに、ササっと正確にキャストする技術がいります。したがって、ガイド雇ったから絶対に釣れるぞ!ということはないのです。ガイドさんはただ、魚の位置、方向を言ってくれるだけで、キャストするのはあなたです。

4)ほとんどの人は釣れずにボッコボコにされて帰国する敗北感:毎年、日本からボーンを求めてたくさんの人がきます。奥さん・子供たちはアラモアナやワイケレでショッピング、お父さんはその隙間時間でちょっとボーンを釣りにビーチへ。そんな輩がたくさん来ます。まあ、99%釣れないでガックリしてホテルへ引き返し、「お父さん釣れたの?」と無神経な質問にあい、さらなる敗北感を味わうのです。

5)ボーンのジェットランを体験すると中毒になる:どの釣りにもいえることでしょうが、釣りをする人がどうやってその世界の深みにハマっていくかって、それは魚とのやり取り(ファイト)だと思います。竿がグンっと曲がって、リールからラインが吐き出されていく、どんなに大きな魚があがってくるんだろうかという期待感、このドキドキ感、緊張感が釣りの世界にはまっていく一つの要因だと思います。

ボーンフィッシュの猛ダッシュはトップレベルです。だから、バッキングが200mくらい必要になります。これを一度体験してしまうと、中毒になります。

最高のロケーションで最高峰の魚、最高のファイト

なんか、ネガティブなことを書いてすみません。そうは言いながらも、ぜひとも挑戦してください!難しい釣りですが、ハワイの美しい景色、波音、風の音、ギラギラの太陽のもとで釣るとものすごく癒されます。そして、ワイキキに戻ってマイタイバーでサンセットをみながらマイタイをすするのです。これが最高にゼータクなひとときなのです。そして、心を一度リセットさせて、また挑戦するのです。

 

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