ちまたではコロナ禍に慣れっこになった人でごった返している。緊急事態宣言発令の予感。気にしすぎだろうが県外ナンバー組としては「発令前に行っとかんと」と衝動的に群馬県上野村に予約の電話をいれた。どうせ空いてないと思ったからだ。
「ちょうどひとつ空いてますよ。でも釣れませんよ。魚放流してないので、釣れませんよ。それでもいいならどうぞ」
そんなことはどうでもいいのだ。僕の場合、一匹出会えれば満足する人間なのだ。数釣りしようなんて気は毛頭ない。
ちょっと説明しておかなければならんのだが、この川は全国でもひじょうにまれなシステムを採用しており、魚や自然、産卵床の保護にひじょうに有効であり、なんなら全国すべての河川はこのシステムを採用しても良いと思える画期的さだ。このシステムを採用している上野村は2本の川に適用。ひとつはあまりに人気すぎて予約が至難である「本谷川」、もう1本は今回の「中ノ沢」だ。
どう画期的かというと、上流域を数百メートル毎に区切り、その区間は予約した者ひとりしか釣ることができない。つまり一区画貸し切り「もうなにしてもいいのよ、あなたの思いのまま、釣りまくって」という天国のような世界が待っているのだ。渓流釣りにおいて先行者がいない、後からやってきて黙って追い抜いていく無礼者に遭遇する心配もない、なんともスッキリ・明瞭会計的なシステムなのである。
しかし、問題がある。いかんせん予約が取れないのだ。10日前からの予約なのだがまず無理。何度も何度も電話して、やっとつながったと思ったら予約はすでに一杯。というわけで最近は僕の場合は土日はあきらめてはなっから電話しない、仕事にもよるが平日釣行と決めている。これって、最近の高齢者ワクチン接種の予約ににているなあと最近思ったね。

予約完了の中ノ沢、癒しの川です。昼のビールが楽しみだ。
家から約2時間半で上野村ふれあい館に到着。さっそく、今日の出勤場所の中ノ沢での予約を告げると「あの~中ノ沢は釣れないですが本当によろしいですか?昨日も1時間くらいで戻ってきて釣れないって怒っていきましたが、本当にいいですか?」僕は癒しに来たわけで、釣果は気にしないと返答。そしたら「本当にですか!釣れませんよ。エキスパート向けですよ。どうします?」どうしますって、はるばるやってきてじゃあ帰りますってありえんでしょ?と思ったね。「大丈夫です。早く会計お願いします!」ってちょっとばかりムッとしてその場を後にしたのだが、ここまで脅かす必要があるのだろうか。おそらく、「金払ってんのに釣れねえじゃねえか!」と己の腕を棚に上げてウルセー輩がいるんでしょうね、残念ながら。

川はこんな感じ。昨年の台風で激変してしまい、川幅も狭くなり、水量も少ないとのこと。浅くてイワナの警戒心半端ない。

この新緑を目に焼き付ける至福の時。
ちなみに中ノ沢はほとんど放流をしていない。つまり釣れる魚はほとんどが天然魚となる(100%ではないけどね)。釣れるのはほとんどイワナ。
川の状況はというと、昨年の台風でかなり引っ掻き回されたので、僕が覚えている中ノ沢とはかなりかけ離れていた。山肌は深く崩れ、川幅は狭く、そのせいかわからんが、この時期にしては水量は少なく、浅い。受付でエキスパート向けなので釣れませんよ!と言われたのはそのためであろう。

ん?とくに問題なく釣れるじゃん。フライはマイブームのマシュマロ。ニッコウイワナかな。
で、お魚はというと、特に問題なく釣れます、ハイ。23センチくらいのかわいいニッコウイワナです。こんなのがドライフライに元気よく出てくれます。フライは、最近ハマッている(いま?!と言わないでよ)マシュマロカディス。巻くのも簡単、どうゆうわけなのか反応がいい。ということで最近のパイロットフライとして昇格なのだ。

巨石のえぐりというか下からガバッと出てきました。少しサイズアップ。一見、ヤマトイワナっぽい配色だが、白点がすこしあるのでニッコウだね。
午後はリバソンにロッドを換えて新緑のトンネルのなかを釣る。6ピースは上りで背中に収納できるからありがたい。イワナかけながら、あ~グラスってやっぱりいいなあと思ったね。引きをオートマチックに吸収してくれるので、バレて「あ~クッソー!」といういけない言葉を口にすることも減ったしね。
次回は梅雨の時期にいくといいかなあ(都内はすっかり梅雨モードですが)と思ったね。僕は雨の中の釣りは気にしないので。水量も戻るかもしれないしね。
ということで脅し?にもめげずそこそこ釣れた中ノ沢でした。魚、環境…100点満点の釣行なり。
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