越後湯沢へ通うようになってもう25年くらいたつが、現地入りはいつも、というかあえて三国峠を越えて湯沢町へはいる。あっけなく到着するより、圧倒的な原生林をのなかを駆け抜けたほうが断然いい。
苗場スキー場手前、三国トンネルを抜けると右手に小さな川が見える。もう何年も気になってはいたもののついぞ竿をだすことはなかった。

温泉でも流れ込まない限り渓魚が住むには問題なさそうな流れ。
川の名前?雨が降れば出現するような感覚の流れなので名前なんてない。ネットをはじめ、詳細な山岳地図もくまなく調べたが川名は判明しなかった。この下流で二居川につながるのでそうかと思ったがどうやら違うらしい。

申し分のないきれいな流れ。浅いので大きくは育たないと思う。周りは笹と木々に覆われる。
小一時間ほど、釣ってみたが反応も魚影もいっさい認められなかったが、なぜか満足した感覚で車に戻ったのを記憶している。道から見えるもののいざ近いづいてみると笹薮やら倒木やらで入渓を拒否してくる。ウェーダーが破れはしないかとハラハラした。目の前に川があるのにどうしても近づくことができない。
笹が川までせり出し、頭上は木がかぶさるので「今度は6フィートのバンブーかな」なんて思いながら少し歩いた。長年気になっていた流れなので自己完結できたのだと思う。川の中に足を踏み入れたことができたこの感覚が妙にうれしかった。

釣れなくてもきもちがいい。

これも楽しみのひとつ
まだほんの一部分しか垣間見てないので、チャンスがあれば、今度はショートロッドで臨みたい謎の川。夜はお決まりのぽんしゅ館で利き酒、これがまた楽しみ。イワナには出会えなかったのだが、心は軽やか、体に染み渡る酒が癒してくれた。
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