カムイに見守られて。阿寒川のフライフィッシング&トラウトはやはり神だと再認識する。その①

神の流れ。圧倒的な大自然でせまる。阿寒川

北海道の大自然への畏敬と野生動物への畏怖。苔むしたグリーンの絨毯を歩く孤独を楽しむ。聞こえるのは、クマよけの鈴音、きしむ枯れ枝、クマゲラが木をたたく音、蝉時雨、川の流れがよれる音、ラインが吐き出されるときのリールの悲鳴。

いつもと変わらずレッドバンドの美しい巨大な虹鱒に出会うと「ただいま」と心でつぶやく。ひとしきりのファイトのあとの魚のリリースにはいつも「ありがとうございました」ときちんと声に出し、流れへ帰っていく魚をしばしみつめる・・・。これ以上の贅沢はあるだろうか、大都会に帰ってきてからも何かに不満を言いたくなると自問自答する。また、あの地へ戻ればいいと。コロナ禍でしばらく遠出が自粛されていたので、この喜びは無限大だ。幸いなことに事故はないが、普通に熊も出没する。いつもシマフクロウや鷲、大型の猛禽類に見守られている。みんなカムイだ。僕はそこにお邪魔させてもらっているという感謝を忘れないようにしている。

このロケーションが末永く保存されますようにと願うばかりだ。

そして、この大自然のなか、トラウトたちに出会うといつも再認識することがある。ライフィッシングやっててよかったなあと。こんな素晴らしい釣りがあるのだろうかと。教えてもらった父親、故郷である北の大地に改めて感謝しきり。

綺麗なコンディションの、このレインボーは特に大型で60センチあった。最高のファイターだった。魚も僕もぐったり。

心のリセットもかねて、阿寒へは毎年一回は必ず訪れるようにしている。昨今、梅雨時期でも台風がくるという異常気象を予想し、6月に決行。結果は的中で素晴らし6い天候に恵まれたが、湖でモンカゲロウのライズを狙う釣りだけは残念ながら不発に終わった。しかし、僕の場合は川がメインなのでまったく問題ないのだ。阿寒を目指す釣り人のほとんどは阿寒湖でのアメマスを主なターゲットとしているので川は比較的すいている。川を一日かけてゆっくりと釣り上がっていくわけだが、人を見かけるのは僕の同行者を除き、だいたい数人。まあほぼ貸切状態というわけだ。

それと、見た目はゆったりと流れているが、流れは重く、深く遡行にはかなり気を遣う。転倒は絶対に避けなければならないので慎重にならざるを得ない。

流れはとにかく重い。転倒したらアウト。慎重さが求められる。

今回のあたりフライ。

二日目は気温も上昇、ドライフライへの反応が楽しかった。いまさら?と言われそうだが、最近のマイブームであるマシュマロフライ(#10)に好反応、マシュマロのプクットしたシルエットが蝉にみえるのか、大型のストーンフライにみえるのか定かではないがとにかく反応がよかった。このフライ1本で7匹キャッチしたが、壊れることもなくフライボックスの中でまたの出番を待っているすごいパターンである。巻くのも数分あれば十分、これはおススメなのだ。

友人もナイスサイズをキャッチ。

阿寒川は阿寒湖から流れ出ているが一般に釣りになるのは上流域の2キロくらい。釣りになるというのは比較的安全に遡行ができ、大型のニジマスが釣れるという意味で少し下ったあたりでも釣れるがサイズは極端に小さくなる。ある一定区間をキャッチ&リリース区間として保護されている。従って、釣れる魚によっては口のところに傷があったり、尾びれに損傷がある魚もたまに存在する。これはおそらく、ルアーの反しの付いたトリプルフックや小さなランディングネット、釣った後の魚の扱い(温かい手で触ったり、陸にあげて写真を撮ったり等)に起因するものだと思う。とは言いながらも魚の美しさ、サイズ、このロケーションの素晴らしさは日本国内ではなかなか出会うことがないのである。

どうしてこれほどの大自然が温存されたのか、次のブログで話してみたいと思います。では、また。

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