マイナス5度!極寒豚サバ釣り、もはやこれは漁だ。

気温-5℃。ゴム手袋下の指の感覚がまったくなく、絡んだ仕掛けを解くのもままならない。先日、雪山登山で指を凍傷ですべて無くした登山家の話を読んだばかりだ。それくらいヤバかった。しかし、豚サバたちは容赦なく、いやありがたい話なのだが、着底と同時にガンガン、サビキに反応してくる。餌付けがないのがせめてもの救いだ。

夜明けのうねりをずんずん進む。寒さと不安と期待と。体験したはずもないのに、軍艦にのって敵地へいくのってこんな感じなのかなあと一人思う。

今回お世話になったのは勝浦・不動丸さん。ルアーもやるので、船上が広々、快適。

「豚サバ」、文字通り豚のように脂を十分に蓄えた丸々と太ったマサバ、というところだろうか。だから、サイズも太さも特級。水深約195メートル。オモリ180号。僕は手前祭りが怖いので枝針6本を半分にカット。枝3つにして釣ったが、容赦なく3本ともに掛かってくるので、その重さと引きはかなりのもの。電動リールが苦しそうに悲鳴をあげる。しかも針が伸ばされる。6本針のフル使用だとどうなっていたのだろうか。

シーズンは毎年1~2月とのことで、この時期しか味わえない、しかも釣り人しか味わえない特別な鯖だ。しかしこの歳になると寒さがこたえるのでしょっちゅうは行ってられないのが正直なところ。

写真でみるとその重さ、大きさが伝わらないが、丸まる、パンパンです。色もきれいです。

釣り方に関してはいたってシンプル、仕掛けを投げ込んで、底をとって数回しゃくれば「ググっ」と重みが伝わってきます。テクニックなんか一切不要でございます。あとは7割くらいのスピードで巻き上げるだけなんですが、なんせ豚なので3匹掛かると重い!さすがに30年前のリールだとウンウン唸って途中で勝手に休憩いれてました。10本針だとどうなっちゃうんでしょうか。煙でてアウトだな。いずれはビーストマスターだな、なんて考えながら延々と巻き上げるのである。なんども言うが水深があるので巻き上げ時間が長いのだ!バッテリーの残量も気になる。これは釣りというか、漁である。今回、実験で途中からバーブレスにしてみたが、バレることもなく、針外しでくるっと手返しもいいし、おすすめです。

この針ハズシがめちゃくちゃ役に立った。しいていうならグリップが細すぎ、本番ではかなり滑る。でもこれって自作できるレベルです。まあ安いからいいけど。

それとこのゴム手袋は「鯖折り」には必需品です。しかもこれちょーおすすめです。手のひら側がザラザラ加工で魚を確実、簡単にグリップ。しかもサイズ感もばっちりで蒸れない!これは買うように!間違っても普通の手袋でやらないように、ダメになります。

話が変わるがやっぱり鯖は美味いですね。「さんさん締め」というのをご存じだろうか。釣り上げたらサバをすぐ三枚におろして塩で30分、酢で30分漬け込んだだけの、漁師さんがやる食べ方だ。アニキサシスがおっかないということもあるが、この方法だとアニーが内蔵から身へ移動する前にさばくので安全性が高いというわけ。今回この方法で食してみたが、特に問題なく、いままで食べたなかでもっとも美味いサバが食える。正直、数日不安だったけどね。あとは、塩焼きが最高でした。もうこれは鉄板やね。

日本酒にあうあう。いわゆるしめさばと違い、身が完全に白くならずに、まだ少し生身が残る。白っぽくみえるのはアニーじゃないからな!

ヤリイカさん。なんとも愛嬌があってかわいい。

後半というか、ほとんど終わり近くになって、ヤリイカを少し釣らせてくれるのだが、これはまあ「オマケ」程度と考えたほうがよかろう。できれば、鯖をちゃっちゃと釣って、ヤリイカにもっと時間を割いてほしかったというのが正直なところ。短時間のなか皆さん、かなり上げていたが、イカはイカ狙いだけでの釣行のほうがいいと思ったね。同行した友人から「ヤリイカリベンジ行きましょう」と言われたのだが、「フライフィッシングだけに専念せい!」とどっかから言われそうなので、難しいだろうなあ。トラブルを避ける意味でも(爆)。ではまた。

コメント