今年のお盆はトイレの詰まりですべての時間を食われた。毎年「お盆は釣りには行くなよ」と幼い頃から父に言われて以来それを守っているので、どこかへ出かける訳ではないが、よりによってトイレが流れない!という大惨事に見舞われた。
ついでだからいうが、僕のまわりにはお盆は釣りに行かないよという人は多いような気がする。それはなぜかというと、まあ仏教的なものでしょうね。「殺生」するなということだと思う。また、お盆に海や川に行くとあの世から足を引っ張られるから近づくなよと言われるけど、これもまんざら嘘でもないかなあ。体験したことはないけど。あ、昔「あなたの知らない世界」というTV番組でやってましたね(知らないだろうなあ)。この手の話はYouTubeにもたくさんあるので興味ある方はどーぞ。
先日、友人と飲んだときに同じようなことが話題になった。「夏になると必ず親子が水難事故で亡くなるよねー。なんでなのかねえ」と。確かに夏になるとこの手の事故は多発する。
僕はフライフィッシングでバーブレスなので魚を殺すことはないけど、少なくとも魚を傷つけることには変わりないのでお盆くらいは控えようということだ。あんな小さくて細い釣り針が指に刺さっただけでもめちゃくちゃ痛いからね。
またしても前置きが長くなったが、トイレだ。突如トイレが流れなくなったのだ。トイレに行けない生活ってこれほど過酷なものだとは今回身をもって体験した。
僕は築古のヴィンテージマンション(ようするにボロアパート)に住んでいるのだが、内見オタクの友人からはそろそろ配管トラブルに気をつけたほうがいいよなんて先日言われていたことを思い出した。僕は本業の傍ら、空き家のコンサルティングなんかをやってるのに自分の住むところには無頓着で反省。
どんな状況というと、完全には詰まっていないのだがひじょうにゆっくりと水が抜けていく。流した水が便器から溢れることはなくギリギリセーフ。しかし、これだと「うん●」ができない。勢いがないのでいつまでも便器内に居座られる可能性がある。
まずは、定番のシュポシュポ(スッポン)を買いにいった。この時点では「まあこれがあれば完璧だろうな」と思っていた。
がしかし、実際やってみると、まったく歯が立たん。しかもリノベで設置した最新の便器はコンパクトで穴の部分が狭く、ちょっと変形しているのでカップのゴムが穴にフィットせず、空気が漏れた状態でシュパシュパすることになる。当然、全くダメ。これを暖簾に腕押しというのだなあと思った。どう考えてもつまりが取れる気がしない。
そうそうにギブアップした僕は工務店経営をしている友人に助けを求めた。とりあえず、写真にあるようなパイプクリーナーで直した実績があるので、買って試してみてくださいと言われたので、またホームセンターにいき購入。これは5ミリくらいのワイヤーの先に螺旋状のヘッドが付いており、フレキシブルに曲がるので、いかなるパイプの曲がりにも対応できるという代物である。が!結果は全然ダメ、便器の入口から50センチくらいは入るが、その先がクネクネしており、無理やり入れようにも、どーにもこーにも進まない。しかもヘッド部分がステンなので、便器に傷が付く心配がある。で、これも結局はダメ。
もーダメだ!ということで、再び友人に助けを求めた。お盆休みの真っ只中なので、対応してくれる業者がいるかどうか分からんがという前提で数件当たってくれた。運良く、翌朝ならいけるよという業者さんが見つかったという。まだ20代の若者だが仕事はしっかりしてるので大丈夫だよと。
この日は極力、食事も水分もなるべく控えた。どうしてもというときは近所の公園にある公衆便所に駆け込もうと思っていた。妻はマンション下にあるテナントさん専用のトイレを借りることに。どうゆうわけか、男子用はない。部屋にあるのかなあ、まあそんなことはどうでもいいのだ。とにかく一夜をなんとかトイレ無しで過ごさねばならないのだ。
翌朝、友人と業者さんがきてくれた。なんだか遭難したところに救助ヘリがきたような嬉しさというか、安堵感が込み上げてくる。遭難したことはないけどね。何回か試しに流れを確認してもらったところ、どうやら便器を外してメイン菅の方までクリーナー(ワイヤー)をいれないとダメだということに。中が見えない作業なので経験値がものをいう。ところで便器って簡単に外れるんですねえ。初めて実作業をみたね。関心している場合ではないのだが、彼は専用のクリーナーでグイグイとワイヤーを挿入していく。しばらく進むと「ん?あれ?」と。どうやら何かぶつかったようで、何回かストロークしているうちに(なんか表現が卑猥で失礼。でもこれしか言いようがない)、「抜けました!」と。どうやら、メイン菅の手前、お風呂の排水とトイレの汚水の合流地点になにか塊があったようだ、とのこと。

トイレって単純な作りなんだなあと。意外にもキレイで匂いもまったくない。黒いのは粘土状のパッキン。
その後、便器をもとに戻し、何度も流し、快適に流れることを確認。いやーほんと嬉しかったです。トイレに行けないってほんとに大変なことですよ。実はお風呂の排水も悪かったのだが、今回ので一挙に解消した。すべてはあの「塊」だったのだ。その塊ってなんなか、のということだが、よくわからないらしい。あくまで想像だが、配管の内壁が錆びてそこがトゲトゲになり、ペーパーが引っかかり、乾き、どんどん堆積していくとのこと。築古マンションなのでそれは有り得るなあと思った。あと、僕らは流さないが、トイレに流せるクリーニングペーパーは絶対にダメだそうです。それから、最近のトイレは節水タイプがほとんどなので、そもそも流れる水の量が少ないもの原因のひとつらしい。ということでたまには2回流すとかしたほうがいいよとのこと。
なんかこれって、自分のカラダにもいえることだなあと思った。今回のって、体に例えると血管のなかをステントワイヤーで通す作業に似ていますよね。妻が「これって病気に注意しろという意味じゃないの?」と言っていたが、これは確かそうだなあと思った次第です、最近はこってりラーメンとか避けているのですが、要注意ですね。
あ!ところで、よくポストに入っているマグネットの「配管詰り24時間即対応!」とか「どんな詰まりも激安で解消!」とかありますが、あれはほぼ、ぼったくりの可能がありますから注意してください。僕も実は数年前にお風呂の流れが悪いので見積もってもらって、2万くらいですかねえ、なんて言われて実際に来たら、8万円くらいになっちゃいますがいかがですか、なんて言われたので即お引き取り願った。なんとかスマイルという業者だったかなあ。なんかあったら、まずは地元の工務店に相談した方がよろしいかと思います。
ということで、今回はどうでもいいような話のようだが、でも実際になるとかなりヤバい話でした。あ〜助かった。これでまた心置きなくトイレで本が読めるぞ。
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